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福島県立医科大学
消化管外科学 主任教授
河野 浩二
2016年11月1日、福島県立医科大学の旧第一外科、旧第二外科の両者の流れをくんだ新しい消化管外科学講座が開講され、7年あまりが経過しました。素晴らしい教室員の仲間と、関連病院の皆さんのサポートにより、ゆっくりですが着実に教室が成長できていることに、改めまして感謝申し上げます。消化管疾患の外科診療、教育、研究のすべての分野で一流を目指し、Academic Surgeonとしての矜持を備えた外科医として成長すべく、活動しております。
私達は消化管外科学講座の5年間(2022~2026)の5つの目標を以下に設定しております。
①ロボット手術、鏡視下手術の成熟化
食道癌、胃癌、結腸癌、直腸癌でロボット支援下手術を積極的に導入し、標準術式として確立しております。2024年現在、ロボット手術は通算400例以上を経験し、ロボット手術認定施設としてプロクター6名、術者8名の人材を配置しております。また、現在、教室関連で内視鏡外科技術認定医18名の在籍があり、教室と関連病院の連携による技術認定医取得サポートプログラムが機能していると思います。
②次世代スタッフの適正化(教室および関連施設)
教室と関連病院の積極的な人事交流により、次世代の年齢構成を見据えて、Subspecialtyに特化した高度専門医療を提供できる教室の人材配置を行います。それと同時に、各基幹病院において、ロボット手術や内視鏡技術認定医取得が実践できる指導者配置も行い、地域における消化器外科、一般外科に対応できる人材育成を行って参ります。
③Translational Researchのさらなる発展
外科教室の武器である、集学的治療としての臨床試験および摘出標本を用いたTranslational Researchを、Molecular biology + Tumor Immunology + Bioinformaticsの手法を用いて実践しております。教室研究テーマの2本柱として、「がん免疫療法の開発」と「がんゲノム解析によるバイオマーカーの同定」を重点的に行っており、英文論文を毎年30-40編の発表、毎年複数の学会賞受賞、特許出願2件、競争的研究費取得が毎年30-40件、学位取得が計26名/7年間を達成しております。
④食道癌High Volume Centerのさらなる発展
食道癌切除術は年40-50例で、ロボット食道切除術を順調に導入し、地域のHigh Volume Center としての機能を発揮しております。JCOG食道班での活動により、食道癌診療ガイドライン作成に教室から4名参加し、地域の食道癌High Volume Centerから、全国規模での活躍が達成できております。
⑤日本癌治療学会2026および日本食道学会2026の成功
当科主催で開催予定の第64回日本癌治療学会(2026年10月22日~24日、神戸コンベンションセンター)と、第80回日本食道学会(2026年6月25日・26日、福島県郡山市ホテルハマツ)について、当教室の成果を披露し、福島県の特徴を出しつつ、学会開催の成功に導くよう周到な準備を行います。
福島 Fukushima の名は、震災により世界に知られることとなりました。現在では、このFukushimaの名を、消化管外科学の分野で国内外に情報発信できるように、世界を視野に入れた活動を行うことを目標とします。
また、福島県は広くまた外科医の偏在化、高齢化の問題があり、優秀な外科医の輩出は重要な使命であると考えております。一人でも多くの消化器外科専門医の輩出に努め、県内中核医療機関と協力して、人材の派遣、有効なネットワーク形成に努力いたします。
教室員がお互いに尊敬し、助け合い、ワークライフバランスを重要視しております。外科医として人間として成長できるように、教室が運命共同体として機能できることが理想です。
(2024年7月25日、主任教授 河野浩二)
【主任教授履歴、経歴】
【学会活動等】
【教室の歴史】
2016年11月1日、福島県立医科大学において、70年の歴史を有する外科学講座(臓器再生外科学講座(旧第一外科)、器官制御外科学講座(旧第二外科))は統合され、臓器別に再編されました。すなわち、食道から肛門までの消化管疾患の外科治療を専門とする消化管外科学講座が新たに組織されました。輝かしい伝統ある福島県立医科大学の旧第一外科、旧第二外科の両者の流れをくんだ、新しい消化管外科学講座が開講され、その初代主任教授として、河野浩二が任命されました。
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