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福島県立医科大学 消化管外科学講座

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大腸癌

大腸癌は胃癌・肺癌とともに、日本における癌死の上位を占める癌です。医学の発達にも関わらず、その死亡数は増加の一途をたどっています。当科も、福島県を代表する大腸癌専門機関として、その治療に力を注いでいます。

大腸癌とは、結腸癌と直腸癌の総称です。我々は大腸癌に対しては、短径5cmを超える巨大な癌を除いて腹腔鏡手術を基本としております。2017年では結腸癌で73%、直腸癌では85%を腹腔鏡で手術を行っています(図)。(状況に応じて開腹手術が選択されることもあります。)当科には日本内視鏡外科学会認定の内視鏡外科技術認定医が3名在籍し、手術の質を確実に担保しています。

直腸癌においては、肛門機能温存、つまり永久的人工肛門造設を回避することができるかどうかが、患者さんの術後の生活の質(QOL:Quality Of Life)に大きくかかわります。
直腸癌が肛門に近ければ近いほど、肛門機能温存は、①癌の根治性の観点から②手術の技術的な観点から、の両側面から困難となります。

①に対しては、術前化学療法および術前放射線化学療法を導入することで、癌の根治性を保ちつつ肛門温存を目指しています。東北初のPET-MRIが当院で稼働中であり、精細な根治性の診断の大きな力となっています。

②に対しては、究極の肛門温存手術といわれる括約筋間直腸切除術(ISR)を代表に、より精細な操作が可能な腹腔鏡手術を駆使して行い、また直近では、最新の手術法である、肛門側からの操作を鏡視下で行うTaTMEを導入し、腹腔鏡では操作が困難であった肛門直近の操作をこれで補うことで、より困難な肛門温存手術を行うことを可能としております。

これらのアプローチにより、可能な限りの肛門機能温存を目指しています。また腹腔鏡下の精細な手術を駆使し、神経温存による性機能温存、排尿機能温存にも力を入れています。

ステージ4、つまり遠隔転移(肝、肺、腹膜など)を伴う大腸癌や、再発した大腸癌に対しても積極的な治療を行っています。近年の研究で、転移があってもそれが切除可能であるならば、切除することで治癒が見込める可能性が高まることが分かっています。我々は福島県最後の砦として「あきらめない」をキーワードに、これら転移・再発大腸癌に対しても化学療法、化学放射線療法を織り交ぜ、肝胆膵外科、呼吸器外科など他科と緊密な連携のもとに手術を行う、いわゆる集学的治療を積極的に行うことで、長期生存を追求しています。

もちろん、治療方針の決定権は患者さん自身にあります。担当医との徹底的な話し合いのもと、患者さん本人の希望にできるだけ添えるような医療を提案・提供いたします。

セカンドオピニオンも随時受付しています。
また当院から他の病院へのセカンドオピニオンも推奨しています。

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