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福島県立医科大学 消化管外科学講座

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直腸腫瘍に対するロボット支援下手術

直腸腫瘍に対するロボット支援下手術

2012年より泌尿器科領域ですでに保険収載されていたロボット支援下手術が、2018年4月消化管外科の領域を含む12の手術で保険収載されました。これまでは先進医療として限られた施設で高額な費用を負担して初めて受けることができたロボット支援下手術が、保険診療としてより多くの施設で受けられる時代となったわけです。
保険収載を受けて、当科でもロボット支援下手術を、胃癌および直腸腫瘍から導入しております。ここでは直腸腫瘍のロボット手術について解説します。

ロボット支援下手術とは

当院で採用している手術支援ロボットは「ダ・ヴィンチ サージカルシステム:以下ダ・ヴィンチ」(Intuitive Surgical社)です。ロボット手術といっても、SF映画のようにロボットが自立して手術を行うわけではありません。

助手が患者さんの傍で安全を確認しながら、ペイシェントカート(図1)を操作し、ロボットのカメラと鉗子3本を患者さんの体内に挿入します。術者はサージェンコンソール(図2)に座り、患者さん体内に挿入されたハイビジョン3Dカメラ画像を確認・操作しながらをマスターコントローラー(図3)でロボット鉗子を操作して手術を進めます。術者の精密な手の動きをロボットが忠実に再現するイメージです。

ロボット支援下手術のメリット

従来、当科で多くの手術に適応してきた腹腔鏡手術は、手術手技の習熟も相まって開腹手術同等、もしくは拡大視効果を得てそれ以上の手術が、多くの局面で可能となっています。
しかし、腹腔鏡にも弱点があります。代表的なものとして、①可動制限、②手振れがあります。

  1. 腹腔鏡の鉗子は曲がらないため、直線的な動きしかできず、行きたいところに手が届きにくい事態が生じ得ます。代表的なものとして深部直腸操作があります。直腸の深部での特有の走行のため、操作が難しくなり、熟練を要します。(図4A)
  2. 腹腔鏡の鉗子は長く、テコの原理で、術者の手振れが、深部に行けば行くほど増強されてしまいます。

ダ・ヴィンチはこれら腹腔鏡手術の弱点を以下のように克服しています。

  1. エンドリスト機能(図4B)
    ダ・ビンチの鉗子には多数の関節が付き、鉗子動作の自由度が格段に向上しています。体の深部においても、人間の手の動きに近い動きを確保することが可能となりました。例えば深部で非常に狭い空間での縫合結紮操作を容易に行うことができます。
  2. 手振れ除去機能
    操作する術者の手振れを自動的に除去するため、患者様側には手振れが伝わらず、より精細な操作が可能となります。当然ですが、鉗子が長くともテコの原理は働きません。

未来的なイメージとなる装置ですので、手術費用を心配される患者様もいらっしゃるかもしれませんが、患者様の費用負担は従来の腹腔鏡手術と同等です。病院側の設備投資が大きくなるため、現在はどこの病院でも採用しているわけではありませんが、将来的には技術革新によるコストダウンが期待され、また従来の腹腔鏡よりも手術の習熟までの期間の短さ、手術の精密性がデータとして示される可能性が高く、今後主流となる可能性を秘めた手術法といえます。

新しい手術ですが、非常に厳密な日本内視鏡外科学会のロボット支援下手術導入の指針を遵守して導入にあたっており、十分な安全を担保して手術を行っております。

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